新しい革「鉄染め」のこと。

インディゴにひきつづき、
もうひとつの新しいオリジナル革「鉄染め」をご紹介いたします。

卉奏のテーマのひとつとして、
「黒と白の間の微妙なグレーを感じる」というものがあります。
そのグレーを表現した革ができました。

もともと、デザイナーの篠原が金属でアクセサリーを作るというところからアクリュは始まりました。
現在もアクリュプロダクトには真鍮が使われていたり、
卉奏になってから篠原の金属を使った暮らしの創作物を扱ったりもしています。
金属の手仕事では、塗装や着色以外で色を変えることがあり、
そういった染色に興味を持つようになりました。

その中で藍染めや泥染めといった日本の伝統的な染色技術を知り、
素材から手をかけられたモノや日本古来のモノヅクリに心惹かれ
それを伝えていきたいと思うようになりました。

そんな時に出逢ったのが鉄染めです。
鉄染めは、タンニン鞣しを施した革を鉄で染めてつくります。
染料は一切使わず、タンニンと鉄の化学反応によって革が染まってゆき、
鉄染め独特のグレーがかった茶色になります。
かすかな濃淡のムラがあり、味わい深い表情があります。

また、鉄染めの革は比較的エイジングしていきやすいので、
変化を楽しんでいただきやすいのも特徴です。
タンニン鞣し独特の艶や深くなっていく色の変化に加えて、
鉄の錆のような色変化もお愉しみいただけます。
無機的な鉄から生まれたグレーが革になり、
それぞれの暮らしの中でどんなふうに息づいてゆくのでしょうか。

鉄染めでは、手帳カバーとハンドストラップのカスタムオーダーを承ることができます。
ぜひ店頭でお手に取ってご覧くださいね。