「サビイロの刻」のこと。

本日より、「サビイロの刻(とき)」というシリーズが数量限定で発売開始となりました。
サビイロの刻は、ずいぶん前にお話させていただいた鉄染めの革を使ったシリーズです。

サビイロの刻でお届けする製品は、ベルテッドタイプのアジェンダカバー(ポケットサイズ・バイブルサイズ)とカシェ・バルジ(クッションなし・110cm)です。

各製品の魅力については製品ページをご覧いただくとして、今日はサビイロの刻が生まれたところにある想いをすこしお話しようと思います。

南船場にあった「アクリュ」が池田市に移転して「卉奏」になり、アクリュプロダクトだけでなく作家作品も取り扱うようになりました。
これは、オーナー・デザイナーであり創作家の篠原が思い描いている理想の景色に一歩近づいた出来事でした。

そして、オンラインストアでも作家作品を取り扱うようになりましたが、もっと作家作品とアクリュプロダクト、店頭とオンラインストアのボーダーをなくしてゆきたいという想いがありました。
そこで、「作家作品が一点ものであるように、一点もののようなアクリュプロダクトを」ということでサビイロの刻が生まれました。

この鉄染めの革はどんな熟練の職人でも全く同じ色やシボのものは作ることができません。
革自体が手仕事によってつくられる作品なのです。
そういったどれひとつとして全く同じものはないという「味」や、使っていく環境や使い方による経年変化の「味」で、お使いいただくお一人おひとりにとっての一点ものになってゆきますように。

また、この「サビイロの刻」という名前は篠原ではなく、スタッフのほしが名付け親です。
いつも製品や限定ラインの名前は篠原自ら名づけているのですが、今回はよりアクリュプロダクトに作家性を持たせるために、卉奏にまつわるさまざまな言葉を紡いできたほしが篠原の想いを受けて名前をつけました。

刻(きざむ)という字で「とき」と読むのは、革にもともと刻まれている傷や時を刻んでゆくことによって、使い手が自分だけの味わいを受け取りにゆくという意味が込められています。

宇宙でたったひとつのサビイロの刻が、これからさまざまな場所で刻まれてゆくことを考えると楽しみで仕方ありません。
どうかみなさまの手で素敵な一点ものとなってゆきますように。

ショップスタッフ いまい